
『犬の伊勢参り』によると、最初の犬の伊勢参りは、明和八年(1771年)
四月十六日、山城国の高田善兵衛の犬が外宮、内宮に参拝したという記録が
残っているそうです。245年前の話です。
伊勢神宮は犬は不浄な動物で、犬が宮中に立ち入るのを禁止していましたが、
それをかいくぐって、本宮前の広場で拝礼の姿勢を取った。
それを見て、神官たちはこれは普通の犬ではないと、犬をいたわり
御祓をくくりつけてあげたらしい。
次の内宮でも拝礼したので、追い出すわけにはいかなくなったという。
「拝礼の姿勢」とは、ようするに「伏せの姿勢」だったのでしょうが、
この話の本質は、ここではありません。
大事なのは、その犬が道中いろんな人たちに助けられてお伊勢参りをしてから
飼い主のところへ戻ったというのがすごいところでもあるし、日本的なのです。
犬は殺されることもなく、お布施を盗まれるどころか、重いだろうからと、
代わりに持ってあげた人もいたそうです。
この話を聞くと、当時の日本人の旅する犬に接する姿がありありと想像でき、
街道の様子まで見えるような気がしてきます。
なんだかほのぼのとして、ユーモアもあって、面白いですね。
「犬の伊勢参りは人の心の生み出した産物でもあった」と著者は言います。
例えが適切かどうかわかりませんが、「こっくりさん」と似ているのでしょうか。
みんなの意識・無意識の願望や希望が犬を導いたということらしい。
返信する